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蘭々
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趣味:
いろいろ
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B'zをこよなく愛します。
歌ったり絵かいたり文章かいたり自然に浸ったりするのが大好きです。
好きなことがありすぎてやりきれてないバカです。
最近はタイピングをまた真面目にやってみたいなとか思いつつ適当にしかやらないダメ人間です。
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音楽・絵・文章・打鍵。 好きなものはたくさんあるけどほどほどにいろいろやってく蘭々の日記です。同人要素たまに。女性向けだよ。注意。
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あれは蝉の喧しく鳴く夏の夕方だった。冷房なんて親切なものは未だ取りつけられていなかった古い校舎、明かりの灯っていない教室の机に金髪頭が伏せていた。
一瞬の思案、何故今日この時間に平和島静雄が机に伏せているのか。
数秒と待たずに思い当たる。ああこの脳みそ筋肉男は夏休み真っ只中に補講の時間割を間違えてやってきたんだろう。恐らく誰も居ない教室に疑問を抱き、苛立ちながらも律儀に席について誰かが現れるのを待っていたのだろう。
蒸した教室内に容赦なく西日が注ぐ。窓の一つも開けずに汗を滲ませている様子は本物のバカだとしか言いようがなかったけれど、暇をしていた俺は迷う事なく教室内に飛び込んだ。
俺の足音から長く伸びる影法師が橙に染まった教室の壁で揺れる、
大きな図体が身じろぐ度に茜色を湛えた金髪が煌めく、――傷んだ毛先が今にも千切れそうな糸のように光を白く跳ねて、胸の奥が小さくざわめく。


俺の陽気な声が教室に反響すると同時に彼は勢い良く頭を持ち上げた。驚愕の面持ちが見る見るうちに不快感に歪み、見慣れた険しい視線を俺にくれる。
そのまま殴りかかってくるかと思ったけど、彼は珍しくも相手をするのが面倒だとばかりに視線を逸らすだけで、…恐らく暑さで動く事さえ怠かったのだろう、顎から机へと汗を滴らせながらもだんまりを決め込んでいた。
早くその潰れた鞄を持って、此処から出て行けば良いのに。


単調にチョークの音を響かせる。安っぽい石膏が緑の板に抵抗を受けて削れてゆく。反響する音がどこか心地良くて、無心に白線を引き続ける。
米神に汗が滲む、身体の半分が傾いた太陽に灼かれる。傷だらけの、それでも手入れされた黒板がどこか愛おしく感じた。古びた板を引っ掻くように長く線を引いた途端、予想外に近い距離から声が掛かって、

逃げるように後にした教室からは、俺を追いかける足音は聞こえなかった。グチャグチャに消した黒板の文字も、きっとアイツはその意味を捉える事も出来ずに顔を顰めているのだろう。
本当に憎らしい、何て憎らしい奴だと毒吐きながら家路を急ぐ。
俺はこんな昔から平和島静雄が嫌いだった。そう、間違いなく平和島静雄が憎かった。
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