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蘭々
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いろいろ
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B'zをこよなく愛します。
歌ったり絵かいたり文章かいたり自然に浸ったりするのが大好きです。
好きなことがありすぎてやりきれてないバカです。
最近はタイピングをまた真面目にやってみたいなとか思いつつ適当にしかやらないダメ人間です。
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音楽・絵・文章・打鍵。 好きなものはたくさんあるけどほどほどにいろいろやってく蘭々の日記です。同人要素たまに。女性向けだよ。注意。
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kumomo.jpg「イギリスー!!イギリスーッ!!蜘蛛がっ!!俺の家に大きい蜘蛛が出たんだよ!!無理だ、もう家で寝られない!!」

「ちょ、な、何だよお前、何時だと思ってんだ…。」

「お願いイギリス、一緒に寝てっ!!いや、一緒に寝てくれなくてもいいから泊めてくれ!」

深夜、日付も変わって暫く。俺よりでかい図体した男が喧しく俺の家の扉を叩いた。
幾ら島国だってこんなでかい声で夜中に騒がれちゃたったもんじゃない。
仕方なく家の中に入れてやる。

「く、蜘蛛が出たんだよー、30センチはあったよ!ああもうぞっとする…」

家に入るなり何度も同じ事を繰り返す様子にひとつ溜息を吐いて、扉を閉める。

30センチってどんなでかい蜘蛛だよ。大袈裟な奴だ。

「ねえお願い、泊めて欲しいんだ。頼むよ…。」

ぱんっと両手を合わせて珍しく頭を下げてくる。
必死で訴えてくる姿に悪い気はしなくて、偉そうに両手を腰に当てて自分より低い位置に頭を下ろした相手を見下ろしてやる。

「いいぞ、但し、一晩だけだからな!」




*****



「それはそうと、君、こんな夜中に何してたんだい?」

テーブルを挟んで向かいのソファに、ちゃっかりと座ったアメリカが俺に尋ねてきた。
思わずぎくっとするものの、飲みかけの紅茶を啜って視線を逸らした。

「べ、別に何だっていいだろ。」

お前には関係ねーよ!と唇を尖らせて、不思議そうにこっちを見つめる視線は無視した。
いえるもんか、料理の練習してただなんて、口が裂けても。

「何だい?言えない事でもしてたのかい?」

明らかにアメリカの表情が緩んでいる。むかつく奴だ。がちゃりと音を立てて、無作法にソーサーへカップを置いた。

「何にもしてねえよっ。」

「へー、そっか。あ、俺、ちょっと飲み物いれてくるよ。キッチンかりるね。」

ソファから腰を持ち上げて、すたすたとキッチンの方へアメリカが足を進める。やばい。そこは作りかけの料理やら材料やらが出しっぱなしだ。

「あ゛!待て!の、飲み物は俺がいれてやるからっ!」

慌てて直ぐに後を追って、キッチンの扉を潜るその腕を掴んでやろうとしたんだけれど。

「いいよいいよ、それくらい自分で――…、あ。」

漸くその手首を掴んだところで、アメリカの動きが止まった。あ゛、と思わず声が漏れる。
あ、こいつ、またカフスのボタンを留めていない。いや、そうじゃない。見られた。
思考を彷徨わせてる内に、にやにやと表情を緩ませたアメリカが、此方を振り向いた。

「イギリス、君、料理の練習してたのかい?」
「違…っ、お、お前、さ、さっさと寝ろー!!!」
「何?出来上がったのはあるの?」
顔に血が昇っていくのが分かる。とてつもなく恥ずかしい。こんなやつに見られるなんて。
楽しそうに材料やら本やらを見渡して物色しはじめるアメリカの腕をぐいぐい引っ張ったが、腹が立つ事にびくともしやがらない。
「やめ…!こらっ、もう泊めてやらねーぞ!」
「あ、あった。」
ひょいと白い皿に乗ったスコーンを一つ持ち上げて、あろうことかぱくりと、口内にそれを収めてしまった。
大きく咀嚼する様子を見て、腕を引っ張っていた両手の力も抜けてしまう。もう泣きそうだ。
直ぐにアメリカが眉を寄せて、此方を振り向く。

「相変わらず実にまずいね、君のスコーンは。」
そう言いながら、皿に盛られたスコーンをもう一つ摘み上げて、ごくんと喉を上下させてから、一口かじる。
「――~~だったら食うなっ!!」
「でも、他の誰かがこれを食べさせられると思ったら可哀想だからね。俺が食べてあげるよ。」
添えただけになっていた両腕に再度力を込めて、また齧ろうとする相手を制そうとする。
確かに料理が下手なのは認めるが、文句を垂れながら食べるなんて最低だ。悔しくて涙が出そうになる。
「や、めろよ!もういいから!」

渾身の力を込めて、腕を引く。流石にアメリカもよろめいて、ぐらりと均衡を崩す。
呆気なく口元から離れた腕にぶらさがっていた俺の体重は行き場を失って、後ろから重力に引っ張られるのを感じた。

「――っとと…、危ない危ない。」
寸での所で体勢を整えたアメリカが、危うく倒れかけた俺の腰に、片腕を回して抱きとめた。
軽々と抱きとめられた事がまたむかついて、唇を尖らせた。
「全く、君は貧弱なんだから、無理するなよ。……ん、前に貰ったスコーンよりは美味しいよ。」
懲りずに食べかけのスコーンを口に含みながら、へらへらと笑っている。不味いっつったじゃねーかよ、と突っ込みたくなるものの、唇を結んでふいと視線を下へ向けた。
「…嘘吐け。無理すんなよ。」
何だか理不尽に悲しくなって、眉を寄せた。やっぱりこんな奴家に入れるんじゃなかったと、今更後悔する。
悔しいとか、悲しいとか、恥ずかしいとか、色んな気持ちが綯い交ぜになって、俯いた瞳にじんわり膜が張った。

「嘘じゃないさ。イギリスの料理は昔から大好きだったしね。そんなに泣きそうな顔をするなよ、俺が泣かせたみたいだろう?」

俺の料理を食べる小さかったアメリカの表情が頭の中を過ぎって、ぎくりとした。
お前が泣かせたんだよ、なんて返す余裕は無くて、覗き込んでくる顔にぐるりと背を向けてキッチンを出た。
やっぱりアメリカが後ろから追ってくるけど、そんな事構うもんか。
寝室に入って明かりをつけると、また一つスコーンを手に持ったアメリカが直ぐ後ろにいた。

「何だい、もう寝ちゃうのかい?折角作ったんだから、食べればいいのに。」


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会話メインでログに忠実にやろうと思ったら死ねたよ。
何でこんな時間かかるの!笑
まだ絡んでませんね、さっさと仕上げちゃおう…
そして、相方、掲載ダメだったら言ってね(事後かよ!)
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