正直にいおう

私はうらやましがりだ。いろんなことで他人をうらやましく思う。
それが世間一般でマイナスとされているとしても、私はうらやましく思う。
たとえばやっちゃん、今まで勉強してなかったからって、一生懸命勉強している。
今まで勉強していなかった分、今まで勉強していた人との時間的な差は、永遠にあるんだと思う。
だけれど今までしていなかったからと、取り返そうと、がんばれることをとても羨ましく思う。
だから私は「いままで勉強していなかった」を羨ましく感じる。
勉強だけじゃなく色々なことに、私は「うらやましい」を感じている。
ふたつのものがあって、片方の道を進めば、違う道を通った人たちを羨ましく思う。
それが逆であったとしても、羨ましく思う。
私のゆく道に自信がないのか、それとも。

だけどそれをひっくり返せば、私はどの道を進んだって最良の選択をした事にできるんじゃないだろうか。
「良い」？それはおかしいかな。

美大にいきたいって言ってた子、うらやましかったよ。
専門学校に行きたいって言ってた子、うらやましかったよ。
物凄い難しい大学に行きたいって言ってた子、うらやましかったよ。
遠い大学に行きたいって言ってた子、うらやましかったよ。
就職したいって言ってた子、うらやましかったよ。

どれもこれも羨ましくて私はなにがなんだかさっぱりだった。
きっと私以外の人が選んだものを、私は凄く輝いて感じるんだろう。
それはね、ひとつひとつに、いいところがあるから。
将来を考えてこれを選ぶほうがいいとか、あなたのためにはこうしたほうがいいとか、
「いい」なんてものの程度は、数字であらわせない。
充実しているからいいとか、沢山お金がもらえるからいいとか、将来優遇されるからいいとか、
たくさん「いい」ってものはあるかもしれないけど、それはどれくらいの「いい」なの？
充実していると何点なの？お金がもらえると何点なの？優遇されると何点なの？
単位が違うから、分母が違うから。くらべようのないものたちに数字で優劣つけようなんてむりでしょ。

それぞれひとつひとつに私あこがれるものがあるから、どれを選んだ人に対してもうらやましいって思うんだ。
ひとつひとつが素敵だから、
だからどれを選んでも、いやなことがあっても、後悔しても、
ひとつ素敵なことがそのなかにあるから、

ねー。

ないものねだりが好きなんだろうけど、正直にどれもあこがれるところがあるから、
だから何もわるいものなんてない