いさか

いさかこーたろーさんの魔王、読んだ。
いさかこーたろーさんの本はまだ4冊しか持ってないけど
ベクトル？波長？
対象？
いや、あたまでっかちな誰か。

あたまでっかちさが、考えて考えて考えて、考えるところが、
考えろ考えろという言葉にぴたりとはまって心地良い。

面白い。
私は本をあまり読まない。
けど、やっぱりこの「魔王」も私を飽きさせる暇を一分も与えずに、
考えと面白さの中に引きずり込んで。

ファシズム、
注文の多い料理店、
憲法、
空、
魔王、

他多数、何もかもがぴったりと私の興味や好奇心や考え、
いや多くの人が一度でも考えたことのあるものの、端っこを、
「糸で吊り上げた」程度であるのなら私たちは偶然だと、見向きもしないのだろうけど。
端っこを、ぐいと引き寄せて、
おいおい危ないよ、と、声をかけてしまいそうな、
崖に踏み出すその半歩を私に見せてくるからこそ。

一気に読まされてしまったなあ。また。

面白い。


わざとなのか、と思う。
読ませる、技術を学ぼうなんて思ったことはないからわからないけれど。
表現、っていうか。
わざとなのか、と。

それは、漫画だって、見せる、魅せる、読ませる、
なら、それって「私」を表現したもの？
違うようなきもする。

いや、私を表現するからこその、
レトリック。表現技法か。なら、表現はやっぱり、留まるものではないのか。
エゴじゃないのか？



エゴであってもいい。
エゴイズムこそが生むそれもあるはず。
本なんだから、表現技法が駆使されてるのはあたりまえ。
いいんだ、なんでも。

にしても、
面白かった。
やっぱり、わざとだよね、上手釣られたぜって感じ。

釣られたのを面白い、楽しい、
どこまで心理を読んでた？って聞きたくなるほど。

偶然だってもちろんある。
誰もが考えただろうってわかりやすいものも、もちろんある。
それに引きずり込んでくのが、

引きずり込まれてくのは、
すごく楽しくて面白い、けど、

やっぱり聞くよ。
ねぇ、どこまで考えてたのって。

エゴだけで、誰かをひきつけることは至難のわざだ。
エゴだからこそ、表現として生きることはあるけど、わかりにくい。
どこまで自分をつぶさずに技法を使えるか、
いやふつうは技法も含めて自分なんだろうけど。
技法も含めて面白いものができた、と、満足できるんだろうけど。

作る時にはわかるのに、みるがわになると、ヘンテコな気持ちでいっぱいになる。

でもまあ、なんでもいい。
面白かったけど、
今晩ひとつだけ食べた餃子の胸焼けが笑えない感じだし。